これだから役所ってのは・・・

一昨年義父が亡くなり、昨年女房が相続した自宅の土地を(建物は取り壊して)売却しました。

当然、確定申告が必要になり、今年申告書を提出したのですが、「被相続人居住用家屋等確認書」なるものを提出せよとの封書が来ました。

これは何かというと、確定申告の「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」という、3000万までの譲渡所得であれば所得税を0にできる制度があって、これを受けるために必要な書類なんですが、意味的には「相続してから売るまで空き家であったことの証明」なんです。

揃えなきゃいけない書類がいくつもあって、

  1. 被相続人の住民票の写し
  2. 申告被相続人住居用家屋の相続人の住民票の写し
  3. 申請被相続人居住用家屋の敷地等の「譲渡の時」を明らかにする書類として、申請被相続人居住用家屋の敷地等の売買契約書のコピー等
  4. 申請被相続人居住用家屋の「取壊し、除却又は滅失の時」を明らかにする書類として、申請被相続人居住用家屋の閉鎖事項証明書
  5. 申請被相続人居住用家屋が「相続の時から取壊し、除却又は滅失の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと」及び申請被相続人居住用家屋の敷地等が「相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと」を証する書類
  6. 申請被相続人居住用家屋の取壊し、除却又は滅失の時から譲渡の時まで建物又は構築物の敷地の用に供されていたことがないことを明らかにする書類として、申請被相続人居住用家屋の敷地等の使用状況が分かる写真(その撮影日が記載されたもの)等

1は義父が住んでた市役所で取れるし、2も自分ところの市役所で取れます。3は契約書と譲渡金が振り込まれたことがわかる銀行通帳(うちの場合は無通帳口座だったのでWEBの画面)のコピーでOK。

4は登記情報を法務局まで行って取得。現状を取らないように注意が必要です。買ってくれた人の家がもうそこにあるから、取り壊した(建物滅失証明)でなければならないのです。自分らは一度間違えて取り直しました。

6は建物を取り壊した後に土地の測量をしてもらった時の資料に更地になった写真があったので、これをコピーして提出。法律の趣旨としては日付が映り込んだ紙焼き写真が対象なのでしょうが、今どきの事情に合ってないですね。

問題は5でして、空き家であること(誰かが住んでいたり貸していなかったこと)を証明できる書類を用意しろということですが、「~~ないことを証明する」というのは「悪魔の証明」と言われるくらい難しいのですよ。推奨する書類として、

  • 電気、水道又はガスの使用中止日(閉栓日、契約廃止日等)が確認できる書類 ※閉栓日、契約廃止日等は相続開始日以降のもの
  • 申請被相続人居住用家屋の相続人と当該家屋の媒介契約を締結した宅地建物取引業者が、当該家屋の現況が空き家であり、かつ、当該空き家は除却又は取壊しの予定があることを表示して広告していることを証する書面(コピー可。宅地建物取引業者による広告が行われたものに限る。)
  • 所在市区町村が、申請被相続人居住用家屋が「相続の時から取壊し、除却又は滅失の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと」及び申請被相続人居住用家屋の敷地等が「相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと」の要件を満たしていることを容易に認めることができるような書類

とありますが、遺品の片付けとかあるじゃないですか。水道光熱については自分に契約を変えて引き続き使えるようにしていたので難しく、仲介不動産業者との契約書はあるものの、広告はWEBだけだったので現在はもうなく、それ以外の書面も想像がつきません。

取りに行く前に電話で確認したときは「解約日がわかる資料であれば大丈夫です」と言われたので、Tepcoに頼み込んで解約日をお知らせする書面をもらって行ったんですよ。でも契約者が自分に代わっているので、これじゃダメということでした。

じゃあどうすればいいの!?って少々ゴネ相談させてもらったところ、市の水道お客様センターで義父名義の契約休止日がわかる証明書をもらってきてください、ということになりました。

義父と女房は名字が違うし住所も違うので、市役所で戸籍謄本を取って親子関係がわかるようにしたうえでお客様センターを訪問、何とか休止日の証明書を取って市役所へリターン。提出したら今度は休止日が相続日より前になってしまってて(支払い契約者を自分に変えたため、連絡した日よりさかのぼってしまったようです)、仕方なくTepcoの書類も併せて提出することで受け付けてもらいました。

ここまで全部で5時間くらいかかってます。大変でした。

結論:相続した土地家屋を売るつもりなら

  • 時間がたつと書類や証明できる書面をそろえるのは大変。
  • 水道光熱の契約はそのまま引き継ぐと、休止日の証明が難しくなるので、いったん休止/解約して、ちょっと日を置いてから再開したほうがいい。
  • 建物を取り壊したら、Dateを入れられるカメラ(スマホもできるかな)で撮影して、プリントにしておく。

これだけやって申請しても、審査結果の書類が来るのは1週間後くらいになります。税務署に電話して提出書類が遅くなることを伝えました。こっちは素直に聞き届けてくれたんだけどなぁ。

6月22日追記

無事、「被相続人居住用家屋等確認書」が出ました。明日取りに行って税務署に送ります。

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