前作から10年後の世界。復興半ばの都市群。KAIJUが現れたのが沿岸部ばかりなので、なんとなく3.11の景色を思い出させます。
そんなことはともかく、今回もいろいろなところにヲタク心をくすぐるシーンが満載でした。
主人公は前作で命を落とした英雄の息子で、一度は防衛軍から追放されに盗みと闇取引で糧を得る身。ヒロインはKAIJUに家族を奪われ、違法とはいえ独学で小型イェーガーを自作してしまうメカの天才。
最初から軍のイェーガーでペアを組むわけではないあたり、どうなるのかと思ってましたが、主人公の相棒が決戦中の怪我でリタイア。そのかわりとしての急造ペアってのが燃えます。
前作で異次元の裂け目は閉じられたので、どこからKAIJUが現れるのかと思ったら、ニュートがKAIJUの脳とリンクし続けて乗っ取られていたとは。
そして今回も怪しい中国企業が事件の発端になるも、最後は主人公の助けとなるあたり、ハリウッドは中国資本に乗っ取られていますな。
それにしてもヲタク好みのシーンはいくつも組み込まれています。
前回より動きがすばやくなめらかになったイェーガー。マジンガーよりもエヴァを彷彿とさせます。
敵側の黒いイェーガー。「ニセモノ」は黒ってあたりと、操作をしているのがKAIJUの「脳」だけなのは、モーターヘッドに組み込まれたエトラムルを思い出しました。
遠隔操作型イェーガーがKAIJUの脳細胞で乗っ取られると、関節や背中からKAIJUのパーツがにょきにょき生えてくるのもどっかで見たシーン。
KAIJUの血液とレアアースでとんでもない出力が得られる燃料とか。危ない技術を用いざるを得ない状況は原子力の比喩か。
敵プリカーサーの目的は人類を含めた地球上の全生命の滅亡。生物的成り立ちの異なるプリカーサーはその後の地球へ移住するのか。ガミラス星人だな。
殲滅の方法はレアアースの多い火山にKAIJUを向かわせてその血と反応させて環太平洋(パシフィック・リムってこの意味だったんだ)火山帯全部を噴火させ有毒物質を撒き散らすこと。おうおう、こりゃメルトダウンだ。
そしてKAIJUが向かうのは日本の富士山。あれ?富士山って世界的には「活火山」なの?でも映像のように溶岩が加工にふつふつとしているわけじゃないから、これはフィクションだね。富士山といえば光子力研究所。マジンガーへのリスペクトですな。
伏線なしで突然現れる敵の小型メカ。その機能はKAIJU同士を合体させること。しかも切り貼りしちゃう。KAIJUへの取り付き方がヤッターマンのゾロメカかと思うような数とサイズ。
3体のKAIJUが「整体縫合」で1体の巨大KAIJUになる。これもどっかで見た覚えのあるシーン。なんだったかなー。
KAIJUの上陸、東京湾なのか。こりゃゴジラを始めとする定番。
そしてちらっと映るお台場の実物大ユニコーンガンダム立像。これは先出し情報が一切なかったので、思わず笑いました。パンフレットによると、きちんと意匠権契約をクリアしているとか。リスペクトが素晴らしい。
救援に現れるのは、ヒロインが作った小型イェーガー(の遠隔操作改造型)。愛嬌ある姿だし、ボスボロットっぽいかも。
最後の攻撃は大気圏上空からの体当たり。カミカゼアタック。
脱出装置が動かないところを、小型イェーガーがコクピット壊して主人公たちを救い出す。ああ、これもありがちといえばありがち。
最後の攻撃でもKAIJUは死なないのか、と思わせて、実は胴体真っ二つっていうのはデビルマン(漫画版)の最後のシーンかも。
そして主人公とヒロインは雪合戦で終了と。
あー、楽しかった。4DXじゃなくても楽しかったと思います。吹替版が4DXしかなかったので仕方なくこちらにしましたけど。
ラストシーンのセリフ「もう来なくていい。今度はこっちから行く」は、もう次回作を期待するしかないじゃないですか。また2年待つのか~。