ワンピースの劇場版第13段。相変わらずののノリの良さと騙し騙されの展開でした。
政府公認の独立国家船(といっても小さな島くらいはある)グラン・テゾーロ。なぜルフィ一味がここに立ち寄ることになったのかは謎ですが、とりあえず面白そうだから、でいいのかな?
金(GOLD)を操る悪魔の実「ゴルゴルの実」の能力者が今回のラスボスですが、その取り巻きには無機物を通り抜けられる「ヌケヌケの実」の能力者、他人の「運」を吸収できる「ラキラキの実」の能力者がいたり、単純に頑強で痛みが快感になる変態マッチョがいたりと、ワンピ節炸裂です。
ただ、ZやSTRONG WORLDに比べて、ラスボスの強大さが足りないように思えました。
Zのゼファーは元海軍大将でガープ、センゴク、おつるさんと旧友。STRONG WORLDのシキはゴールドロジャー時代の伝説の大海賊。それに対してギルド・デゾーロは自らの能力で金を集め、天上人への上納金で独立国家を認めさせた、元天上人の奴隷からの成り上がり者。
天上人に殺された(?)恋人の恨みを天上人に取り入ることで成り上がって晴らす、ってあたりが小物感アリアリで。
この先、下克上まで狙っているならそれなりに大物になれそうなんですが、ストーリーの中でそれが語られていないし、過去のことも走馬灯のような回想で触れられただけ。うーん、画面の面白いところに尺が取られてしまったのでしょうか。4DX/3D上映もあったのですが、自分が見たのは通常の上映。それでも「あぁ、ここは4DXで面白くなるように作ってるなー」という部分があったのも事実です。
ワンピースの主題でもある「束縛とそこからの開放・自由」に対比すると、束縛がカジノで負けたことによる借金や最下層の金のダストシュートとかであることもちょっと弱いと思います。海水で体を洗えば金箔の呪縛も解けるなら、入港してきた水路に飛び込めば解決じゃね?というのもあります。
とはいえ、ストーリーとしては謀略の掛け合いで、ナミの本領発揮といったところ。ナミの昔馴染みである女狐カリーナも含めての騙しあいは楽しめます。
本編と直接関係はないけど、ゲスト声優がなんだか豪華で。メインじゃないレイズ・マックスに北大路欣也、酒場のおっさんが竹中直人、敵のダイスはケンドーコバヤシ。うまいんだよなこの辺の人たちは。
カリーナの声が素人臭いなと思ったら、元Folder5のHIKARI=満島ひかりだったりしましたが、それ以外は違和感なく聞けます。それにしても満島ひかりは女優としての評価はとても高いのに、声だけの演技ってのは異なるものなんですかねぇ。
ま、本筋には全く影響しなさそうなお話なので、4DX/3Dでアトラクションとして楽しむのが良いかと思います。