映画の日で1000円だったので、急遽見てきました。正直、先週末で終わってると思ってました。
よい意味で大変よくできた「お祭り映画」でした。
冒頭、オーズは三つ子の「イマジン」と戦ってます。「変だ、メダルが出ない」とか言ってますが、導入部の設定に無理があるのはいつものことなので(電王が絡んだら何でもありなので)ここはスルーで。
イマジンのいるところに電王あり。通りすがりの子供、ナオキを使って過去へ飛んだイマジンを追うため、デンライナーで現れたニュー電王とともに、40年前の映司とアンクでしたが、「40年前ならグリードは誰も目覚めていない。メダル取り放題」というアンクの思惑があったのでした。もちろん過去への介入をさせないようにオーナーはモモたちに命じていますが、まさか腕だけで行動可能とは思えませんよね。
そうそう、ここで「なんでこんな子供に40年前の記憶が?」という疑問がセリフとしても出てくるのですが、ここからもう伏線だったりしてます。
で、ドタバタと戦いに巻き込まれているうちに、アンクからセルメダルが1枚零れ落ちます。このメダルのせいでショッカーは「ショッカーメダル」なるものを完成させ、ショッカーグリード(ここらがお祭りポイントです)が誕生、ライダー1号2号を倒したうえで洗脳し、「ライダー」はショッカーの最も優れた改造人間になるのでした。ああ、ショッカーが肉体改造の前に洗脳しておけばこうなっただろうという状況ですね。
現代に戻るとそこはショッカーが支配する世界。さっきイマジンに使われた通りすがりの子供はストリートチルドレンになっていました。「イタリアで有名なアイスクリームスリだ」って分かってて、それでも相手を疑ったりしない映司ってどこまで善人なんだろう。
このグループのリーダーはミツル。調べてみたら、ナオキと合わせて「少年仮面ライダー隊」のリーダー格だった2人の名前ですねぇ。
映司たちは「ショッカー警察」に子供たちともども追われます。とりあえずばらばらに逃げて、クスクシエで落ち合うことに。
ストリートチルドレンたちは廃墟になったスナック「アミーゴ」(場所はクスクシエのあった場所)にアジトを構えています。アミーゴって初代ライダーの立花のおやっさんの店じゃん!こんなちょっとした演出を入れてくれているのが泣けるでぇ!
ここに至って、ようやく現代の情勢が説明されます。ショッカーを中心として歴代悪の組織は同盟を結び、世界の支配を宣言。この会議中にゴルゴムとクライシス帝国(いずれも仮面ライダーブラックの敵)は支配に反対し全人類の抹殺を主張するあたりがいいです。結局は支配したあとはどうとでもできるということで納得。
アジトをショッカー警察に追われ、子供たちと一緒に逃げた映司ですが、子供の1人が怪人に捕ってしまいます。ここでミツルは逃げることを選択しようとしますが、映司に「最後まであきらめちゃだめだ」と言われます。これが後々までの伏線とは。英司はオーズに変身。この世界では「ライダー」はエリート怪人の別名ですから、子供たちびっくり。でも、「ライダーは敵か、味方か」という懐かしいテーマをここで提示してくれます。
そしてついに悪のライダー1号2号が登場。オーズは戦いにくいのか、1号2号が強いのか、追い詰められてしまいます。となると電王の出番。子供たちも一緒に40年前の歴史の修正へ。
せっかく落としたセルメダルを回収したのに、アンクは「メダル取り放題作戦」への欲望から車内で暴れ、デンライナーの窓をぶち破って4枚のセルメダルをまた落としてしまいます。なんておちゃめな。
タロスたちの活躍で3枚のメダルは破壊されます。少年仮面ライダー隊の女の子が最後の1枚のメダルを拾いますが、映司たちを信用できず逃走。ショッカー戦闘員も登場するに至ってやっと彼らを味方と認識します。それにしてもライダー隊の制服って今見るとどこぞの私立小学校の制服っぽい。そりゃミツルやナオキも笑うわ。
ブラック将軍に奪われたセルメダル。しかしそれはまだこの時点で正義のヒーローである1号と2号が用意した発信機付きの偽者でした。1号2号はニセセルメダルを使ってショッカーの本部を探し当てます。が、ショッカーもニセメダルを用意していて、ライダーたちをおびき寄せたのでした。今回の歴史もセルメダルがショッカーメダルに吸収されてショッカーグリードが誕生。待機していたデンライナーはカメバズーカ(V3に最初に登場した怪人)に攻撃を受け、この時代からの離脱を余儀なくされます。1号2号は死力を尽くして戦い、映司たちを逃がしてくれますがショッカーグリードに敗退。この情景を見たナオキはデンライナーから飛び降りてしまいます。デディは救出のために彼を追い、幸太郎と別れ別れに。
現代へ戻ったデンライナーですが、カメバズーカの攻撃により大破。映司と幸太郎は過去へ飛ぶ手段を失い、歴史の修正はならずじまい。テディの武器フォームは見つかりますが、既にテディとしては存在せず、その下に少年仮面ライダー隊の制服と、40年前に残ったナオキからの手紙が。
幸太郎と英司・アンクは、子供たちを逃がすためショッカーにつかまって公開処刑にかけられてしまいます。
そこに登場する1号と2号。ショッカー首領は3人の処刑を二人に命じますが、このとき1号と2号の洗脳は(心ある科学者によって)すでに解けており、逆転のチャンスをうかがっていたのでした。2回目の現代では、ライダーは正義のヒーローに戻っていたのです。
そしてライダー隊の意思を受け継いだミツルたちはオーズのベルトをなんとか英司に渡そうと、処刑の現場に潜入します。処刑場に集められていた人々もライダーの言葉に反応し、ショッカーに対抗し始めます。つかまりそうになる子供たちからベルトを受け取り、人から人へと渡しながら英司の元にベルトを届けるのです。このとき、最後にベルトを投げ渡した人を演じていたのがなんと「ささきいさお」さんでした。えぇ~!こんなチョイ役?と思ったのですがこれも伏線。
「たった4人のライダーで何ができる」というショッカーに対し、次々と登場する仮面ライダーたち。悠然と登場したオーナーは「人の記憶が歴史を作る。人々に記憶がある限り、ライダーは何度でもよみがえる」とかっこよく言い放ちます。
デンライナーの再登場でテディも復活。「やぁ、40年ぶりだな」のセリフにちょっとキました。
平成ライダーも続々と登場。その中でWの翔太郎とフィリップだけは生身からの出演でした。この辺はお母さんたちのための対応ですかね。昭和ライダーたちでお父さんたちをがっちりつかみ、イケ面ライダーでお母さんたちをつかむのが今の戦略でしょう。
更に逃げるジェネラルシャドーに対してオーナーは「正義の味方は仮面ライダーだけではありませんよ~」というと、なんとキカイダー、O1、イナズマン、ズバットが登場。もう完全にお祭りです。宮内さんの「ズバット解決」が聞けてよかった。
首領との戦いはオーズの映画限定コンボ、「タカ」「イマジン」「ショッカー」の「タマシー」コンボが登場。
最後は鬼岩山状態のショッカー首領に全ライダー(シルエット的登場だったのですが、龍騎の13ライダーや他の主人公以外のライダー全部)がバイクに乗って突っ込むというお約束的な終焉でした。
さて、悪の組織は倒したものの、ナオキが40年前に置き去りのまま。助けに行かなくちゃ、というところでささきいさお登場。なんとミツルのお父さんでした。更に驚く事実、ナオキ本人でした。彼は40年前に残り、ライダー隊の女の子と結ばれ、ショッカーの科学者となっていたのです。1号2号の洗脳をといた「心ある科学者」とはナオキのことでした。
全体にはまとまり感に問題ありでしたし、全ライダー出演という割りに、1号2号しか活躍していないところもありましたが、1号、2号、V3それにズバットはそれぞれ中の人が声をあてていたし、お祭りという意味ではよかったと思います。